悪循環を食い止める"選択"の力
何か苦労を背負ったとき、
社会的立場の弱い方へ追いやられてしまったとき、
その原因の中には誰かや何かのせいもあるのかもしれない。
社会がもっとよくなれば、
政治が、経済が、会社が、今ある社会の仕組みが、
変われば、自分たちはこんな状況で生きていかずに済んだということは多々あるかもしれない。
だから、そういう大きな力を変えていこうと活動をしたり、努力していくことはとても大切だと思います。
でも、そういう大きな力を変えて、その変化が現実に現れるまでには、
数年、数十年という時間がかかることがほとんどです。
今、苦しい立場に追いやられている人が、良い立場にいくということは、
今、良い立場にいる人が、苦しい立場に追いやられてしまうということでもあるので、
何かが変わっても、結局、誰かが誰かを憎むことも変わらない。
せっかく何かを変えることができても、
憎む思いが、また何かを歪めてしまう。
もしも、そんな悪循環を少しでも食い止める方法があるとしたら、
それは、自分の人生は自分が選択した結果なんだ、ということを、
一人一人が自覚していくことなんじゃないかなと思うのです。
たとえば、
今、自分のいる環境が辛いならば、
そもそもどうしてその環境にいることになったんだろう?と思い返してみる。
それしか選択肢がなかったから仕方ない?
でも、これまでその環境で耐え忍ぶために頑張って、使ってきたエネルギーを、
それ以外の選択肢を増やすために使うこともできたのに、
しなかった。
という選択の結果があるということを忘れてはいけないと思うのです。
今、お金に困っているとしたら、
そもそもどうしてそのお金が必要だったのだろう?と思い返してみる。
学ぶために、仕事のために、家族のために、必要だった。なら、
そのためにお金を借りたという選択の結果がある。
借りると引き換えに、得ているものがある。
何かのためにお金が必要で、借りるしかなかったとしても、
その何かのために必要な金額を少なくする方法を探すという選択肢もあるし、
その何かではない選択をする、という選択肢もある。
でも、そういう選択肢を探すには時間がかかる。
その時間をかけずに、自分に必要なものを求めると選択をした結果、
あるいは、時間をかけられない状況に、自分を追い込んでしまうような選択をしてきた結果、
必要な金額があり、借りる必要があった、という選択の結果があるということを忘れてはいけないと思うのです。
自分は毎日、何を選択してきたんだろう?と振り返れば
政治や経済や会社や社会や、誰かのせいにする前に、
今の自分が、将来の自分のために、
自分で自分を守る選択をする機会はあったということ、
今の自分の現状に至るまでに、
小さなことから大きなことまで、日々、選択してきた事実があるということに、
気づくことができます。
弱い立場の自分が、大きなものの力に流されずに生きることは難しくても、
一つ一つのことを、一回、自分で考えてみる。
選択するかどうか考えてみる。
どうして、それを選択しようと思っているのか考えてみる。
自分の人生は自分で選択している、ということを思い出してみる。
それなら、
社会が変わらなくても、
何十年も待たなくても、
今から変えられるものを、
自分の力だけで変えられるものを、
増やしていける。
そうしてまずは自分が、悪循環を生みださない人になろうとしてみる。
そのために、成長しよう、賢くなろうとしてみる。
それが今の自分にできる、
自分や周りにいる人を救う手だてになり、
大きなものの力に流されずに生きる力になるのではないかなと思います。